フカセ釣りをしていると、さまざまな外的要因により、仕掛けが狙い通りのタナやポイントまで届かない、もっとひどいときは仕掛けが浮くことがあります。また、エサ盗りが大量に居ればエサ盗りをかわすことも必要になってきます。その時に必要なのが鉛玉であるガン玉となります。名前の由来はそのまま、散弾銃の中身です。釣り用の噛みつぶしおもりとしては割ビシもありますが、その形状から水中で回転しやすく仕掛けがヨレるなどの問題があり、フカセ釣りにおいてはガン玉で話を進めることが一般的となっています。
ガン玉 | |||||||
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G8 | G7 | G6 | G5 | G4 | G3 | G2 | G1 |
0.07 | 0.09 | 0.12 | 0.16 | 0.20 | 0.25 | 0.31 | 0.40 |
ガン玉 | オモリ(号) | ||||||
B | 2B | 3B | 4B | 5B | 0.5 | 0.8 | 1.0 |
0.57 | 0.75 | 0.95 | 1.20 | 1.85 | 1.87 | 3.00 | 3.75 |
上記の表はガン玉とオモリの標準質量表です。この表は覚えておいて損はないと思います。関西でポピュラーな第一精工のものはこれより若干重くなります。これらの種類のオモリを組み合わせて、状況に対応したガン玉を適切な場所に打つ必要があります。
風も無く、潮が一方向に緩やかに流れていて、沈み込む潮の場合はガン玉を打たなくてもいいですが、まずそのような恵まれた環境にお目にかかることは無いでしょう。
そこで、ハリスにガン玉を打つわけですが、ガン玉は打つ場所により、馴染み方と流れ方が全く違ってきます。
左の図は、仕掛けが馴染む途中のハリスの撓み具合を描いたものです。厳密にはこれほどはっきりした形にはならないと思いますが、その辺はご了承願います。
黒が完全フカセ、赤が規定のガン玉一つをハリス中央に、青が上に重く下に軽いものをそれぞれ均等に、緑が上が軽くて下が重いものを均等にセットした場合です。
図から見てもわかるように、沈んでいる最中に最もたわみが少ないのが緑のタイプの打ち方になります。
右の図は、仕掛けが完全に馴染んだ後のハリスの撓み具合を描いています。
この場合は青色が最も直線に近くなります。
緑色の打ち方は、かつて山本紀久さん(拓山会)がおっしゃられていた打ち方だったと思います。その理論を聞いて、なるほどと思ったので速く馴染ませたいときや、磯際・テトラ際で仕掛けを止めて待つときは緑色の下が重い打ち方、自然に馴染ませて流したいときは青色のタイプ、つまり上が重くて下が軽いものか、同じサイズのものを打つ方法を選択します。
風が強かったり、タナが深かったり、潮の流れが速い場合は、狙ったポイントや流れから外れやすくなります。
こんなときは3B~1号のオモリを使って狙いのタナまで一気に沈めて早めに仕掛けの安定を図ります。また、荒れているときや風が強いときは単純にオモリではなく、水中ウキを使うことにより流れに乗りやすくなります。
およそ、ライン修正時にウキが余り動かないぐらいの重さの仕掛けにすればよいと思います。
潮が湧いていたり、二枚潮などのときは、仕掛けが弛みやすくなります。こういうときは、できるだけ仕掛けを真っ直ぐに保つためにガン玉を分割して打ちます。
通常は2段打ちで、同じ重さのものを均等に打てばよいと思います。後は条件に応じて下を重くしたり、上を重くしたり、3段打ちにしたりなどが考えられます。
最近のウキは浮力管理がきっちりしていますので、適正オモリでぴったり喫水線になります。
ところがこの精度のよさが仇になって、
ガン玉の重さを変えるたびにウキを変える様なことになることも有ります。通常は仕掛けが馴染まなくなる → オモリを増やす → ウキを高負荷の物に変える、といったパターンになりがちです。
この場合は、
過負荷(たとえば0号のウキにジンタン4号の3段打ち)にして、無理矢理仕掛けが馴染むようにします。
ここで、仕掛けを重くしただけだとウキごと一気に沈んでしまいますので、道糸の張り方でウキの沈みをコントロールしてみてください。仕掛けの重さと、道糸の抵抗、浮力のバランスが適正だと、ウキは海中の一定の深度を漂いながら潮をつかみます。
これが出来ると、多少の条件変化でもガン玉のみで仕掛けを上手く馴染ませることが出来るようになります。
ウキの選択とガン玉使いに関しては、実践 円錐ウキの選択とガン玉の打ち方をご覧ください。
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ガン玉の位置をたった30cmずらしただけでも仕掛けの馴染み具合は全く異なります。
これらの基本事項を頭に入れ、そのときそのときのひらめきで、いろいろ試してみましょう。
きっといい結果が出るはずです。