撒き餌・コマセは半日でオキアミ3kgに配合エサ6~8kg
視覚と嗅覚を刺激するものを混ぜる

ヒロキューの配合エサ最近の上物釣りは、必ずといっていいぐらい配合餌が混じっています。混ぜなければ釣れないという事はありませんが、魚を効率よく寄せるためにはオキアミの不得意な部分を補うために必要かと思います。
私が考えている配合餌の効果は、

  1. オキアミだけだとマキエの筋が決まりきってしまうので、オキアミと異なる比重を持つ配合エサを混ぜることにより、マキエの帯を太くする。縦方向はマキエの比重差、平面は釣り人がコントロールすることで3次元的にマキエを考える。
  2. あくまでオキアミを主食(人にたとえると米)とした場合、配合エサを混ぜることにより、おかずや、デザートの要素(嗜好品)の要素を持たせて魚の興味を引き、食い気を活性化させる
  3. 遠投性、コントロール性アップ
  4. 変色防止
  5. 増量

で、もっと簡単にまとめるとオキアミだけでは届かない範囲の魚を集めることが出来るということになります。

ダイワフィールドテスターの木村公治さんによると、配合餌のテストの際、魚を人間に例えるそうです。チヌはおよそ小学校低学年の子供と考え、ご飯ではなく、チョコやスナック菓子をたくさん混ぜたほうが興味をそそるということです。

魚が寄ってくる過程(持論)

銀狼アミノX名人ブレンド一般的には次のような考え方で間違っては居ないと思いますが、あくまで持論ですので細かい突っ込みは個別対応いたします(笑

  1. 潮の流れに乗ってくる匂いに反応して潮上に向かって移動を開始する。一般的には200m程度は撒き餌が効くといわれています。
    このときにチヌが好む強烈な匂いを発するもの、サナギやアミエビの匂いが混じっているとさらに良いと考えます。
  2. ある程度、マキエの投入点近くに来ると、マキエそのものを目で確認し、捕食し始める。
    エサの存在をアピールする濁りを発生させ、そして安心して就餌させるためのコーンやムギ、カキガラが混じっていることが必要です。「チヌは、まず小さく硬いものをついばんで、それが安心できると感じると本格的な就餌行動に入る」と遠矢国利さんがおっしゃっています。

ちなみにチヌは目がよいと言われていますが、単純な視力だけならアジやグレに到底及びません。その代わり内湾での生活に適するように嗅覚はかなり発達しているのできつい匂いが有効的なのです。

以上のことを考えると、オキアミは基本、これに視覚を刺激するタイプの配合エサ嗅覚を刺激するタイプの配合エサを混ぜるとよいと思われます。

例外としてエサ盗りは音で反応しますね。 あいつら、空中を飛んでいる撒き餌を視認しているんじゃないのか?と思うぐらいすばやいですよね。

音といえば、ボラが一杯居るときはその下にチヌが居ると思います。ボラが撒き餌を吸い込んでいる音、就餌音もチヌの興味を引くものらしいですよ。ボラとチヌは生活圏が一緒で、ボラが食べるものはチヌも食べますから当然といえば当然ですね。

配合エサの種類は?

私の感覚で配合エサの特性を大雑把に分けると次のような表が出来上がります。

嗅覚刺激タイプ
(匂いで寄せる)
[ダイワ]
銀狼アミノX
銀狼アミノXサナギ
強力チヌ アミノX
強力チヌZ
強力チヌにんにく
チヌキャッチ
[マルキュー]
チヌパワー
チヌパワースペシャルMP
メガミックスチヌ
スーパー1スペシャル
チヌにこれだ!(液体)
[ヒロキュー]
イッキ浮かせチヌSP
[フィッシングマックス]
チヌMAX 赤
視覚刺激タイプ
(興味を引き、警戒心を解く)
[ダイワ]
銀狼(集魚)・白
銀狼アミノX 遠投フカセ
フカセチヌ
全層チヌ
アピールチヌ5
[マルキュー]
爆寄せチヌ
湾チヌスペシャル
チヌパワー遠投G
チヌパワームギ
チヌパワーDASH
Bチヌ遠投
チヌパワーV10白チヌスペシャル
チヌの宿
[ヒロキュー]
ホワイトベース 制覇チヌ
[釣りまん]
チヌの舞 ホワイト
[フィッシングマックス]
チヌMAX 白
両方の特性を兼ねるオールラウンダー
(バランスが良い)
[ダイワ]
銀狼アミノX名人ブレンド
銀狼アミノXチヌ名人ブレンド遠投SP
深攻めチヌ遠投
[マルキュー]
瀬戸内チヌ
チヌパワーV9 遠投
チヌパワー日本海
チヌベスト(白)
ナンバー湾チヌ
チヌの道
チヌグルメ
[つりまん]
バトルチヌS
[フィッシングマックス]
チヌMAX Premium
増量タイプ
(集魚力はあまり見込めません)
[ダイワ]
アミノX爆増チヌ5倍フカセ
アミノX爆増チヌ5倍深攻め
4倍こませチヌ
アミノX3倍ダンゴ
アミノX3倍ダンゴ深攻め
[マルキュー]
オカラだんご
[ヒロキュー]
ブラックターボープラス

配合エサの色は赤?白?

よく言われているのは、以下の使い分けです。

水深の無いところで赤系・茶系を使ったから釣れないということはありません。あくまで目安です。

配合エサの配合比率は?

じゃぁ、マヅメ時に水深があって流れが無かったらどうする?なんて疑問も出てきます。そのときは単純に混ぜればよいと思います。

比率は、釣り方にも因りますのでご自身の思うとおりにしてください。

私は視覚刺激タイプをベースにすることが多いので、嗅覚刺激タイプは補助・調整用と考えることが多くなります。増量タイプは粘性の高い撒き餌のときに杓離れをよくするために入れたほうが良いと思います。入れないと杓に撒き餌が引っ付いて飛んでいきません。また、バラけ易くするために、荒びきサナギを混ぜてもよいです。

マキエに使うオキアミ

オキアミは取れる時期により白っぽいものと赤っぽいものがあります。今までの経験で、夏~秋に市場に出回るものは白っぽく、冬~春に出回るものが赤っぽいものが多いようです。
サシエには白っぽいものが好まれる傾向がありますので、マキエも同じものがいいとは思いますが、白っぽいオキアミだけを選んで買える店は、私が知る限り大阪には有りません。
春の時期、白っぽい柔らかいオキアミが欲しいのですが、市場に無いので諦めています。

アミエビを混ぜる?

エサ盗りが少ないときや、エサに粘りを出したいときに使うといいと思います。アミエビはオキアミより集魚力が強いといわれています。アミエビは、普段サビキなどで撒かれているエサなのでチヌも食べなれているので有効かと思います。
アジやサバなどがエサ盗りとしているときに、アミエビを混ぜると最悪の状況になりますので、ある程度エサ盗りの質を情報として仕入れておいて、その上で混ぜると良いでしょう。

押し麦・サナギは入れるべき?

私は釣り上げたチヌを食べることはほぼ無いのであくまで伝聞ですが、釣り上げたチヌの腹の中には押し麦がいっぱい入っていることが多いそうです。

また、サナギは単体でも撒き餌、サシエに使えるぐらいチヌの好物です。

ですので、できれば押し麦とサナギは別口で追加すると良いと思います。また、サナギには細びき、荒びき、そして生ミンチが有り、条件に応じて使い分けます。

  1. バラケさせるときは荒びき
  2. まとめたいときは細びき
  3. 活性を更に高めたいときは生ミンチ

を選択します。生ミンチは上手く使えば釣果を伸ばせますが、加えすぎるとかえって食わなくなったりするので入れ過ぎは禁物です。概してさなぎを入れすぎるとボラがやる気を出しすぎてエライ事になるので適量が良いかと思います。

オキアミを砕く?形のまま?

オキアミは手で砕くその時のチヌの活性、エサ盗りの種類に応じて「適度に砕いたものと形のままを混ぜる」と良いと思います。

砕かず粒のままだと遠投しにくくなりますが、エサ盗りに対してサシエをカモフラージュする=目を向けさせないようにするためには有効です。気を付けなければならないのは、エサ取りが少ない時に粒をたくさん撒くとチヌが沈んだオキアミにしか興味を持たなくなります。秋~初冬など、チヌの活性が高ければ粒オキアミの量が多い方が良いです。活性の高いチヌを釣り上げると、海面近くでオキアミやコーン、麦などを吐き出すことがあります。吐き出すのは決まって形の良いしっかりしたオキアミなどの粒ですので、食べているうちに徐々に警戒心がなくなり、手当たり次第に食べている間にハリのついたエサを食ってしまった、ということが推測できます。概してこういう時はよく釣れます。

逆に、砕いたものや練りこんでしまって形がなくなると、匂いはよく出ますし遠投もしやすくなります。匂いや煙幕の中にサシエを流すと目立つようになりますけども、エサ盗りが多い時にはエサ盗りがいつまでたっても満腹にならず、サシエが集中砲火を浴びます。こういう時はサシエ用の粒を1杯でも撒いてやるとすっと静かになることがあります。この時がチャンスです。

写真のように手で砕けとまでは言いませんが、最低限、自分の力で適度な砕き具合、コネ具合を考えシャベルでやさしく混ぜてやってください。そして、できれば海水でマキエの硬さを調整してください。

そして、出来る限り配合エサは汎用性の高いものを1つ予備として釣り場に持ち込めば、波をかぶったり雨が降っても適切な硬さを維持できます。

  砕いたもの 形のまま
嗅覚刺激 潰したほうがエキスが出やすい 匂いは出にくい
視覚刺激 見えにくい アピール度が大きい
沈下速度 やや速い ゆっくり
エサ盗り対策 小さいのですぐに食べられてしまう 粒が大きいので食べるのに時間がかかる
食い気との関係 食い気が無いときに有効 食い気があるときに有効
遠投性 細かいほど飛ばしやすい 大きいほど飛行中に分解する

これらのイメージをもって、そのときの状況で現場合わせていくのが良いのではないでしょうか?

オキアミ/アミエビと配合エサの配合比率

メーカー推奨だと配合エサ1袋で、オキアミ3kgが通常ですが、およそその倍、2枚・6kgまではオキアミをまとめることができると思います。これも釣り方によって配合比率が変わります。

私の場合は、オキアミ1.5kgなら配合エサ3kg、重量比率で1:2で考えていることが多いです。

オキアミ、アミエビをたくさん混ぜるほうがチヌは釣れる、といったニュアンスの言葉を木村公治さんから聞きましたが、断言はしていませんでした。これは、おそらくオキアミだけだと早く満腹になるから?でしょうか?今のところチヌに関してはオキアミよりも配合餌の重量が多いテスターが多いです。オキアミの量が多いのは徳島の釣り人で、有名どころでは山元八郎さん、山元隆史さんです。山元隆史さんはオキアミ9kgに配合2袋、とおっしゃっていました。

いずれにせよ、年間通じて全く同じ配合で釣っている人は稀だと思います。ご自分のホームグラウンドでの季節パターンを軸に、地域性を考慮したマキエを編み出す必要があるかと思います。

マキエの硬さは?

マキエの攪拌最初は、メーカー推奨の量よりかなり少なめ、ややしっとりして手で握ってやっと固まる程度にします。紀州釣りのダンゴの作り方ですね。このままだと杓で投げるときはバッカンの中でかなりしっかり固めないと粉々になって自分に降りかかってきます。そして、作ったマキエの半分ぐらいに軽くまとめるだけで玉になるぐらいまで海水を加えていきます。こうしておくと雨が降ったり、海水をかぶったりしてもある程度は適度な硬さに調整しなおすことができます。ちなみに硬さの目安は、腰の高さから落としてボロッとならず玉のままになるぐらいが最適です。これより柔らかいと空中分解しやすくなりますし、硬いと杓で固めることに手間取ります。

ただし、濁りを出したいときは極力水分を多くするとよく濁りが出ます。しかし、まとまりが悪く遠投しづらくなりますので、使う分だけヒタヒタにすればよいと思います。

大知昭さんも遠矢国利さんも、硬さ調整にはかなりの時間を掛けてこだわりの状態にしています。それだけ重要、ということですね。

撒き餌を水道水で混ぜてもよい?

大知昭さんや、木村公治さんに聞いたところによると、明言は避けていましたがたぶん海水で混ぜるほうがよいのでしょう。ただ、今の配合エサには酵母菌が入っているので、真水で作って酵母菌が活性化する時間、一晩ぐらいおいてやれば問題ない、とおっしゃっていますし・・・

これを実証するために1年間配合エサを水道水のみで混ぜ続けたところ、自分の技量では釣果に差はありませんでした。若干不安要素はありますが、水道水で混ぜても配合エサ入りなら問題ないと考えてよいでしょう。

マキエ・エサ代が高い!

オキアミ3kg + 配合エサ1袋でおよそ1700~2000円。パックやボイルのサシエ、コーン、練り餌、激荒、サナギ粉などを購入するとさらに金額がかさみますね。

月1回の釣行ぐらいでは大丈夫でしょうが、毎週竿を出すとなると、かなり厳しい金額になります。

そこで、高水温・好条件のときは、配合エサを減らして米ヌカ、オカラで増量してやってもいいと思います。 オカラや米ヌカは釣りエサ屋ではなく、豆腐屋や米屋で買うと全然値段が違います。場合によっては無料で頂けるかも知れません。 我が家は米を玄米から精米しているので、米ヌカがごみとして出るんです。これを貯めておいてマキエの中に混ぜてやれば、タダでマキエが増量できます。

また、パン粉、押し麦、コーンは業務スーパーだとかなりお安く手に入れることができます。もちろん人間が食べられるものなので、エサとして使わなくとも自分で食べてしまえば問題ありません。我が家では、釣りエサ用としてストックしてあるパン粉やコーンを使った料理がちょくちょく食卓に並びます。

また、サシエはパックものを購入し、開封しなければ常温保管できます。練り餌は解凍冷凍を繰り返すたび固くなりますけど海水を加えて練り直せば使えます。クールバッグの中にタオルでくるんで入れておけば真夏の炎天下でもない限り腐ることはないと思います。

撒き餌の量

エサ盗りの居ない時期はオキアミ1.5kgに配合エサ3kgで3時間が基準値となります。慣れていない人ほど多く撒くことをお勧めします。撒き餌の効果的な利かせ方がわかってきたら量を減らしてもよいと思いますけど、1回当たり杓2杯以下だと極めて活性が下がるように感じています。

これが夏や秋のエサ盗りが多い時期だと、配合エサのみで釣ることもできます。配合エサ1~2kgで1時間とし、状況によって激荒を混ぜます。もしくは、配合エサをつなぎ程度にして、生オキアミをメインにすることもあります。極論するとフグを集めなければある程度何とかなることが多いので、オキアミ無し撒き餌が効果的ではないかと感じています。ただし、オキアミが無いと明らかに集魚力は弱くなります。

ちなみに、私が夏場の磯に乗るとすると、生3kg、ボイル3kg、湖産1kg、アミエビ2kg、配合エサ2袋ぐらいで6時間分です。

実践マキエパターン

チヌMAX白基本・ベーシック

オキアミ3kgに、 フィッシングマックスオリジナル チヌMAX(赤・白)、もしくはダイワ 銀狼アミノXサナギ、ヒロキュー ホワイトベース制覇チヌ、釣りまん チヌの舞ホワイトなどを1袋。

このパターンは、集魚力、コントロール性などバランスが取れていると思います。嗅覚も視覚も満遍なく刺激し、また、泉州地区では入手性が非常に良い配合エサなので、迷ったらまずこのパターンをお勧めします。

ローコストに済ませたい

オキアミ1.5kgにダイワ 銀狼アミノX 名人ブレンドもしくはマルキュー瀬戸内チヌを0.5~1袋。名人ブレンドは4.5kg入りで、遠投性や集魚力などのバランスが取れているので通常はこれ1本で大丈夫だと思います。瀬戸内チヌも大知塾長曰く最低限これだけでも入れてあれば釣りが成立するとおっしゃってました。どちらを使うにしても釣る時間に応じて配合エサの量を決めてください。 半分混ぜると2~3時間、全部入れると4時間ぐらいは持つでしょう。 さらに増量したければヌカやオカラで増量してください。増量すると遠投性が損なわれ、比重も軽くなります。

集魚力を高めたい

基本パターンに生サナギのミンチか荒びきさなぎ、アミエビ、押し麦、コーンなどを適度に追加配合します。また、爆釣液なども効果があるかもしれません。視覚、嗅覚ともにチヌを刺激するものが増える結果として、ほぼ間違いなくボラも釘付けにしてしまいます。また、アミエビが入っていれば、グレやアジ、サバなども同時に足止めしてしまいますのでご注意ください。匂いは強烈ですし、生サナギを使うとバッカンがサナギ油でぬるぬるします。

視覚効果重視で軽め

撒き餌を打つオキアミ3kgにヒロキューのホワイトベース制覇チヌ、もしくはダイワ フカセチヌ 1袋、ヒロキュー イッキ浮かせチヌかダイワ 強力チヌZを0.5袋、押し麦、荒びきさなぎ、コーン、パン粉、オカラの配合にします。パン粉やオカラが入っているのでパサパサした仕上がりになります。甘~ったるい匂いになります。

あと、ダイワグレジャックRなどグレ用の配合エサを使う手法もあります。

ひたすらドカ撒き

オキアミ3kgに、フカセチヌ、3倍ダンゴ、4倍こませチヌを各1袋。もしくはホワイトベース制覇チヌ1袋にブラックターボプラス2袋など。

私はこれだけあれば最低6時間は釣れますが・・・撒く人が撒けば3時間ほどですって。撒けば撒くほどチヌは釣れ易いようですが、私がこれをやるとおそらく自滅する気がします。

まとめ

結局、全てのパターンで 有効なマキエの配合パターンとは存在しないと思います。
常に2~3種類の配合餌を持ち歩き、現場合わせでマキエを作るのが一番良いと思われます。持って行くのが重いけど、それで釣れたら軽いものです(笑)

チヌの釣り方・仕掛け メニュー

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