竿と並んで釣具の中で高級品といえばリールです。
「ただ単に糸を巻いたり出したりするだけでなんでこんなに高いのだろう」
「巻けたら一緒じゃないの」
などと考えたことも有りますが、フラッグシップモデルを一度でも使うとそのシルキーな巻き心地、剛性感、軽さ、そして所有欲を満たす緻密な作りに心を奪われます。メカ好きな方であればこの気持ちは判ってもらえるはず・・・
使い始めてから30回ぐらいまでは、デザインと重さに目を瞑れば値段の差はそれほど気にはなりませんが、そこからじわじわとガタが出てくるのが入門品で、使い込むにつれてさらに回転が滑らかで軽快になっていくのがフラッグシップモデルとなります。
これも竿と同様、金属部分の原材料費と加工精度、コストがかかる内部構造などが値段の差になっていきます。 リールは竿ほど対応条件が狭いものではないので、思い切ってよいものを購入されることをオススメします。
店頭価格で40000円を超えるものは、実戦使用を繰り返しても劣化しづらい性能を誇っておりますが、最近のリールは普及帯でもかなりいい状態を長くキープできるようになっています。一昔前は1年通して使うだけで軸受けがすぐに甘くなってしまうものでした。
機械部分もそうですが、軽い、糸が絡みにくい、そして仕上げの美しさなどといった点でも、趣味としての所有欲をも考えると出した額だけの価値はあると思います。
ちなみに私は、竿は普及価格帯のものをシチュエーション別で揃え、リールはできるだけ上位機種を使う組み合わせにしています。
さて、リールにはスピニング、両軸と大きく分けて二つ有りますが、チヌのフカセ釣りで使われるのはほとんどスピニングリールだと思われますので両軸に関しては割愛します。世の中には両軸リールでカゴ釣りをすることに意義を感じておられる方もいらっしゃるぐらいなので、気分を害されたのならこのページは閉じていただいて結構です。
スピニングリールには、特殊用途(ヤエン用のリアドラグ)を除けば以下の3種類があります。昔はリアドラグリールも一般的な時期がありましたけども、今はなくなってしまったようです。
最近の流行を見ると、やはり大型チヌにはドラグ付きレバーブレーキリール(LBD)を使われる方が多いようです。また、良い型のグレやマダイ、青物などが掛かることも否定できないので、レバーブレーキリールが有利かと考えます。磯のグレ釣りをも視野に入れているのならばレバーブレーキ付をオススメします。
また、タモ入れ時はレバーブレーキ付のリールが有利だと感じています。体半分が網に入ったらレバーを緩めるだけで魚がタモの奥に入ってくれます。これを竿ですると結構難しいと思いますよ。
ただ、魚釣りを始められて間もない方はフロントドラグリールで緩めのドラグ設定にしておいて、ドラグが出ないように糸を巻き取る、といった手法のほうが良い結果を残せる可能性が高いと思います。
余談ですが、スズキ狙いのルアーフィッシングにレバーブレーキリールを使われる方も少なくないようで、ダイワ、シマノから専用モデルが出るくらいです。また、ダイワからはヤエン釣り専用LBQD(クイックドラグというフリーまでの調整が一瞬でできる特殊なドラグ)も出ており、チヌ用でもPEに対応すべくLBQDが用意されています。そのほかタイラバや太刀魚のジギングなどでもLBが活躍する場面が増えています。
ちなみに私は、初めて磯釣りに行くときに渡されたリールがシマノのチタノスBB-X800(バラさんブレーキ)とNFTのパワーループ磯2号でした。この組み合わせで釣りを覚えたので通常のフロントドラグリールはどうも馴染めまないんですよね。また、この頃の国産スピニングリールのドラグ性能はお世辞にも褒める事ができない代物で、使い物にならないのが実情でしたので、磯釣りといえばレバーブレーキでしたし、別段ドラグが無いからといって苦労した覚えはなかったですね。2号ハリスを何度もぶちぶち切られながら体で覚えていきました。
次に使ったのがダイワのウィスカートーナメントSS750LB(名機)・・・これは今でも未使用品が一台あります・・・まさにこれが出し入れ自在のリール、つまり正転・逆転両方ブレーキが効き、かつロングスプールで糸の出が全く異次元だったのを覚えています。しかしこの頃のリールはフラッグシップでも安かった・・・潮岬の故 本田収さんに感化されて両軸リールに妙に憧れた時も有ったっけ・・・でも使いにくくてすぐに諦めました。
ですので、ブレーキレバーが無いと手に違和感があります。サビキ釣りやちょい投げでフロントドラグリールも使いますけど右手の人差し指が所在無げに宙に浮いています。また、ドラグのみで魚を取ったこともないゆえにドラグの調整方法をまともに知らずにいましたが、ようやくナイロン道糸は固め、PEやフロロ道糸は緩めにしておくと都合がいいことが分かってきました。最初はなんとなく緩めに設定しておいて、魚が掛かって走りすぎるときは徐々に固くする、これぐらいの調整でもそれほどバラシが増えたとは思いませんね。
昔はレバーブレーキでも右巻きで出荷されていましたが、現在は買ったときから左巻きになっています。私は阿波釣法の考え方がベースなので、利き腕で竿を持ち、反対の手で撒き餌を撒き、リールを巻き、タモ入れしています。
右利きなのに左で竿を持っている名手としては平和卓也さんが挙げられます。彼は右利きで、もともと右で竿を持っていたものをマキエワークを極めるために左で竿を操れるように特訓したそうです。実際、ルアー釣りなどでは右で竿を持ち、キャストの時に持ち変えることはありません。
竿を持つにあたって、一番力が必要な条件は魚を掛けた後のやり取りの場面です。やり取りのスタイルにもよりますけど、通常チヌならば竿尻を腰に当てることはなく、手首のみか竿を肘に沿わせるのが一般的で、両手を使うとしても軽く空いている手を添える程度です。竿尻を腰に当ててのやり取りは、チヌ釣りのタックルバランスに対して強引すぎます。このような状態で、良いサイズの魚が掛かって、レバーを握ったまま竿を持ち替える動作はとても難しいと思います。
また、仕掛け投入、撒き餌を打つ、糸ふけを取る、などの動作をするにあたって毎回竿を持ち替えることになり、とてもリズムが悪くなります。エサ盗りが居ない時期の釣りであればそれでも問題ないでしょうけど、もし、磯のグレ釣りも視野に入れているのであれば、竿は利き腕、撒き餌は空いている手でこなすことを覚えたほうが良いと思います。どうしても利き腕で巻きたいのであれば、竿を持ち替えないように練習することをお勧めします。竿を持ち替えなければ、一連の動作にスムーズな流れが生まれ、リズミカルに打ち返しが出来るようになります。
エサ盗りの多い時期の磯のグレ釣りは、竿を持ち替えている暇すらないぐらい、すばやい動作が要求されます。せっかく撒き餌でエサ盗りを分離したのにモタモタしていたら、本命ポイントに仕掛けを投入した時点で奴等に気づかれてしまいます。
現在は通常のドラグ無しレバーブレーキリールが好みではありますがPEなどへの対応を考え 、22トーナメントISO 2500XH-LBD、20インパルト2500H-LBD、15トーナメントISO 2500SH-LBD、09トーナメントISO-Z 2500LBDなどをシチュエーションで使い分けています。
機種 | 用途 | インプレ 評価 |
---|---|---|
22トーナメントISO 2500XH-LBD | 磯・波止/グレ・チヌ/インテリア | |
15トーナメントISO 2500SH-LBD | 磯・波止/グレ・チヌ | |
09トーナメントISO-Z 2500LBD | 波止/グレ・チヌ | |
20インパルト2500H-LBD | 波止/グレ・チヌ | |
11 インパルト競技LB (ラインローラーベアリング装着済み) |
紀州釣りなど | |
インパルトアルファ2500LB (ラインローラーCRBB化済み) |
紀州釣り・夜釣りなど | |
16 トライソ 2000H-LBD (ラインローラーベアリング装着済み) |
紀州釣り・夜釣りなど | |
02トーナメントISO-Z 2000LB | インテリア | |
トーナメントISOインパルト2000LB | 回転系のガタが有り現役引退 | |
トーナメントZ 2500LBT | スプールの互換性が無く現役引退 |
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トライソSHOX 2000LBD | 16 トライソ2000H-LBD購入のため売却 | |
10 プレイソ 2000LBD | 11 インパルト競技LB購入のため売却 | |
エンブレムS 2000LBA | 譲渡 |