チヌや中型のグレまでならば、やり取り時に腰に竿尻をあてることはまずありません。竿尻を腰に当てるようなやり取りは最低でも1.7号以上の竿が適当かと考えています。
ということは、必然的に竿を腕に沿わせて、片腕でやり取りすることになります。このときに、竿尻が滑って体勢が崩れた経験はありませんか?特に夏などは、半そでで汗をかいていたりするととても滑りやすく、メーカー純正で滑り止め加工をしてあるとはいえ、お構いなしに滑ってしまいます。また、こういう時期の魚はとても元気がいいので、ちょっとでも隙を与えると相手に主導権を与えてしまい、痛い目にあってしまいがちです。
それとは別に、一時期のダイワの竿は、滑り止めコーティングが経年変化しやすく、コーティングが粘着剤状態に変化して衣服にこびりついたり、傷だらけのように見えるようになり、実用性&見た目とも、とてもよろしくない状態になります。私の持っている竿だと、トーナメント制覇 技、飛燕、かこゼロ、オレガ一徹がそれにあたり、トーナメント制覇 技と飛燕、かこゼロはコーティングが剥げて全く意味を成さなくなっています。これらの竿は現代には無い調子なので、大切に使っていきたいと考えているのですが、実釣で使いづらいのは大きなハンデとなります。
そこで、コーティングの復活もしくは別の滑り止め加工をすることを考えてみました。コーティングをアルコールで剥がし、紙ヤスリでこすったぐらいでは滑り止めには全くならず、つるつる滑って釣り難いったらありゃしません。また、コーティングの復活は別の滑り止めを塗ることになり、カーボンブランクスのレジン(接着剤ですね)の劣化にもつながりかねないのでパスです。
一番手軽なのは、テニスラケット用のグリップテープを巻くことです。実際、近所のマックスなどにも普通にそのグリップテープは置いてあります。素材も300円程度とお手ごろなので試しにやってみることにしました。
最も難しいと感じたのは、巻き始めのテープカッティングです。いろいろ試行錯誤した結果、竿尻の外周+テープの重ね代となるように斜めにカットするとうまくいくことが判明しました。
加工後、実釣テストしてみたところ、全く滑らず、非常によいフィーリングです。また、副次的効果として、竿受けに置いたときの傷防止、そして竿尻に重量が乗ることによる若干の持ち重り軽減などが挙げられます。仕上げテープがはがれやすい点が改良の余地ありですが、お手軽なチューニング&延命処置としていかがでしょうか?