道糸の下巻きをして2度おいしくコスト半減

替えスプール道糸はフカセ釣りの道具の中で最もシビアなアイテムで、かつ鈎やハリスに比べてもかなり割高な消耗品となり、お財布には厳しいと感じます。また、私が常用している1.5号前後の細糸は大阪南部の釣具屋ではほとんど置いていません。今使っている1.5号のほとんどはフィッシングエイト本店か、通信販売、南紀の釣具屋で大量に仕入れたものを細々と使用しています。

コスト削減と入手性の悪さから、「道糸をおいしく全部使うにはどうしたらよいか」とずっと考えていました。今までは一度巻いた道糸を逆から巻きなおす手法を取っていましたが、これだとどうしても道糸のつぶれ、ヨレが気になります。

現在、一般的に売られている磯釣り用やチヌ用と銘打った道糸は150mが主流ですよね。でも、こと大阪湾の波止から釣るチヌ釣りに限って言えば、50m以上流すことはまず無いと言っても良いでしょう。

そこで、色々調べていたところに、シマノから従来の半分の糸巻き量をもつスプールが発売されました。ところがダイワからは出そうな気配がありません・・・こんな突飛な事を考えるのが得意なはずのダイワさんが何もしてくれないので、自分で都合の良い容量を持つスプールを下巻きで作り出そうと考えました。

まずは、ダイワの各磯LBスプールにおける糸巻き量を算出しました。糸巻き量は号数に反比例しますので、簡単な表計算で各号数の糸巻き量が算出できます。シマノの2500番、3000番もそれぞれダイワの2300番、2500番と同じ容量のようですが、シマノ2500番における2号の糸巻き量算出値がカタログスペックとかなり異なります。どういう状態になるのかは実物が手元にありませんので検証できません。あしからずご了承ください。

スプールの容量
(Sはシマノの番手)
RCS競技 インパルト競技
口太スペシャル等
2000番 2300番
(S2500番)
2500番
(S3000番)
基準号数(150m巻ける号数)
1.75 1.85 2 2.5 3
容量値 = 基準号数 x 150m 262.5 277.5 300.0 375.0 450.0
1.25号 210 225 240 300 360
1.35号 195 210 225 280 335
1.4号 190 200 215 270 325
1.5号 175 185 200 250 300
1.6号 165 175 190 235 285
1.65号 160 170 185 230 275
1.75号 150 160 175 215 260
1.8号 150 155 170 210 250
1.85号 145 150 165 205 245
2号 135 140 150 190 225
2.25号 120 125 135 170 200
2.5号 105 115 120 150 180
3号 90 95 100 125 150

理論計算値は各スプールの表記されている容量にほぼ一致しました。この値を元に各号数の道糸を75m使用する場合の下巻き量を算出します。

下巻きに使う糸は2号までは2号、2号~3号までは3号とします。これは、一般的に釣具屋で売られているボビン巻きで入手性がよく、かつ、もしやり取りの最中に下巻きまで出てしまっても問題が無いと考えられる太さだからです。号数差が余りにも有ると、道糸の結びこぶが大きくなって、邪魔になります。私はサンラインのクインター2号、透明のものを準備しました。下巻きにまでこだわるのであれば、ダイワのジャストロンのブラックがスプールの色と同化してかっこよく見えます。

下巻き量は、[(巻きたい号数の容量 - 75m) x (巻きたい号数/下巻き糸の号数)]で算出しました。

2号での
下巻き量
RCS競技 インパルト競技
口太スペシャル等
2000番 2300番
(S2500番)
2500番
(S3000番)
1.25号 85 95 105 145 180
1.35号 85 95 105 140 180
1.4号 85 90 100 140 175
1.5号 75 85 95 135 170
1.6号 75 80 95 130 170
1.65号 75 80 95 130 165
1.75号 70 75 90 125 165
1.8号 70 75 90 125 160
1.85号 65 70 85 125 160
2号 60 65 75 115 150
3号での
下巻き量
RCS競技 インパルト競技
口太スペシャル等
2000番 2300番
(S2500番)
2500番
(S3000番)
2.25号 35 40 45 75 95
2.5号 25 35 40 65 90
3号 15 20 25 50 75

計算によって導かれた上表の2号の値は、当たり前ですけど各スプールの2号糸巻き量から75m引いた値となっています。

高速リサイクラーさて、理論値を導くことは成功しました。次は最も難関である、道糸の長さを計らなければなりません。大昔、船釣り用の後付カウンターがあったはずなのですけども、今はカウンター付リールになってしまい、そのようなアイテムがありません。糸の長さを計るためだけにカウンター付リールを買うのは本末転倒ですので別の手法を考えます。

リールの巻き取り量を目安にしても良いのですけど、内周と外周での直径差から誤差がかなり発生すると予測されるので、出来るだけ大径でかつ簡単に手に入るものはと考えた結果、普段メンテナンスで使っている第一精工の高速リサイクラーと、そこらにたくさん転がっているダイワの銀狼やアストロンなどが巻いてある透明なスプールで10m巻くのにどれだけハンドルを回せばよいかを調べました。(2013年10月追記:高速リサイクラー2.0でも全く同じです。)

下巻きでばっちり結果、10mを巻き取るのに12回巻けばよいことが判明しました。これから、たとえばインパルト競技LBスプールにおける1.75号-75mに対応する2号での下巻き量は、12回 x 70m/10m = 84回となりました。実際は糸巻き量が増えるにつれて外周が大きくなりますので、若干少なめにするとちょうどの長さになると思います。

また、使用する道糸は75mなので号数に関係なく90回で同一となります。

こうして私は、使うであろうスプールをすべて1.75号で使うとして、ばらばらの容量のスプールを統一しました。これで、どのスプールでも同じ容量として気兼ねなく使えますし、釣行ごとに10mずつ切り落としたら3回しか使えませんのでトラブル防止にも一役買ってくれそうです片側2回使ったら同容量の替えスプールで巻取り、ひっくり返して使うようにすれば150m巻き1本で8回いい状態で使えます。

ただし、潮の流れの激しいところや磯などに渡るときはちゃんと150mで巻きますよ。

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