DAIWA GINRO 0-53・K(2024)
2024年時点で、ダイワさんの磯竿のメインストリームは胴調子となっています。ほとんどのメーカーがこの時代の潮流に沿っては居ますが、胴調子を好まない釣り人もいることは間違いありません。
著名な釣り人では、遠矢ウキの作者である遠矢国利さんが胴調子を好みません。
現行銀狼唯牙・王牙も「魚がどうしたいのか伝わってこない」と、VIP ISO AGS TYPE-1を使われており、奥様のさち子さんはいろいろ迷われた結果、無印銀狼(先代)の1号、1.2号に落ち着いたそうです(遠矢さん、さち子さんともご本人に直接確認しています)。言わずもがな、遠矢国利さんは名手中の名手、レジェンドです。ちなみに初代銀狼王牙メタルチューンは当時の開発責任者である木村洲一さんに「試しに使ってみて」と渡されてしぶしぶ使ったら大層お気に召したとのことでした。
いつも教えていただいているダイワフィールドテスターである木村公治さんには大変申し訳ないと思いながらも、銀狼唯牙や銀狼王牙を手にしないのはそういうところがあるからです。次の王牙・・・王牙という名前では無くなる可能性もありますが、これは全く違う新たなコンセプトの銀狼となることは間違いないはずなのでこれには期待しています。
そんなことを思いながら、2024年のフィッシングショーで木村公治さんから「この竿(銀狼)は、自分から竿を起こして浮かせる竿」とおっしゃっていたことが気になり、波濤のとてもプレーンな釣り味が心に残っていたので、新しい銀狼もプレーンなのかな?と試してみたくなりました。
調子 | 持ち重り係数 (kg/cm) |
ベスト ハリス |
ターゲット サイズ |
税込購入価格 (円) |
---|---|---|---|---|
胴調子 | 19.5 | 0.8~1 | ~45cm | 24,948 |
素材 | Vジョイント | X45 | ガイド | べたつき 低減加工 |
リールシート |
---|---|---|---|---|---|
HVF | あり | あり | 穂先と2番口金TC-IMSG その他ハードガイド |
なし | スクリューシート |
全長 (m) |
継数 (本) |
仕舞 (cm) |
標準 自重 (g) |
先径 (mm) |
元径 (mm) |
---|---|---|---|---|---|
5.30 | 5 | 116 | 161 | 0.7 | 23.6 |
錘負荷 (号) |
適合ハリス (ナイロン・号) |
カーボン 含有率 (%) |
メーカー 希望小売 価格(円) |
---|---|---|---|
0.5~2 | 0.6~1.5 | 99 | 36,000+税 |
ダイワ(グローブライド)のホームページより
--銀狼スピリッツを受け継ぐエントリーモデル
高密度HVFカーボンとX45を採用し、各節にV-ジョイントを搭載することで、大型チヌの強烈な引きもイナす柔軟性と粘り強さを追求したハイスペックスタンダードモデル。 新採用のオリジナルスクリューシートは、握りやすく安定したファイトスタイルを実現。ガイドは♯2番固定ガイドまで軽量なFUJI製TC-IMSGを採用し、糸ガラミと持ち重りを軽減。 操作性の高いショートタイプから大型チヌを捻じ伏せるパワータイプまで幅広くラインナップ。
■0号-53
防波堤や渚などで竿を曲げこんで楽しむアイテム。柔軟なブランクスは細ハリスをしっかりいたわり、ハリス切れを防ぎながらチヌを暴れささずに獲る。
ひとつ前の銀狼は仕上げにすこしチープな感じが残っていましたが、この銀狼はガイドが普通のハードガイドである点ぐらいが見た目上のマイナス点であるぐらいで、デザインや装備に関してはエントリーモデルとは思えない仕上げとなっております。
実際に釣り場に持ち出してもその印象は変わらず、ブラインドテストしたら銀狼唯牙やもしかしたら銀狼王牙でも魚を掛けるまでは違いが分からないのではないかとも思いましたが、じっくり使い込んでいくと、主に塗装、コーティングに関する部分で上位モデルとの差異を感じました。
具体的には、塗装が若干弱くちょっとしたことで傷が入り、糸のベタツキ感も多めだと思います。まぁ、それもヘタった道糸だと顕著なのでラインが新しければそれほど気にならないとも思えますし、実売価格を考えると致し方ないかとも思えますね。
ただし、物理性能的に目立って感じる点はそれぐらいです。
0号竿なので、竿自身のパワーというか粘りという点で採点する竿ではないと思うのでパワーという点は考慮せず、掛けた時の曲がりのスムーズさやツッパリ感の無さ、胴のブレ、持ち重り感などは先代唯牙に比べても自分では感覚が違うけど甲乙つけ難いと思います。Vジョイントがあるので波濤のようなツッパリ感は皆無で、若干粗削りな感じがするところやここ一番での芯の強さという点でカーボン素材に関して唯牙が良いものを使っているのかな?と思うぐらいで、雑味の無さ=インフォメーションの少なさ=鈍いと考える釣り人にとっては逆にアドバンテージとなると思います。 胴のブレは、木村公治さんもおっしゃっていましたが先代銀狼唯牙0号は結構あると感じましたけどこの銀狼はあまり感じませんね。
銀狼は、王牙、唯牙、鋭牙、そしてこの無印でそれぞれキャラクターが違いますので、値段ではなく釣り味で好きなものを選んでも後悔はしないのではないでしょうか?
エントリーモデルではありますが、20年前のトップモデルと比べても遜色ない出来上がりだと感じさせます。 波濤も含めて、エントリーモデルならではの素直な感覚を一度試してみても良いのではないでしょうか?
実際、51cmの年無しも不安感無く取り込めています。初心者の方が使われてステップアップしたとしても、この竿はサブとして十分活躍できる性能は有ると感じています。